- メディア論・コンテンツ論
TBS,米ABC「Wipeout」の制作会社も著作権侵害で提訴
TBS,米ABC「Wipeout」の制作会社も著作権侵害で提訴
2008/10/09
西畑 浩憲=日経ニューメディア
TBS(東京放送)は2008年10月9日,米ABCの人気番組「Wipeout(ワイプアウト)」の制作会社である米Endemol USAを相手取り,番組の差し止めと損害賠償を求め,10月8日(現地時間)にカリフォルニア連邦地方裁判所に提訴したと発表した。提訴の理由は,Endemol USAが制作したWipeoutが,TBSの「風雲!たけし城」や「SASUKE」,「KUNOICHI」と番組コンセプトや演出方法が酷似しており,著作権侵害に当たるというものである。ABCに対しては,すでに10月6日(現地時間)に番組の差し止めと損害賠償を求めて提訴している。(発表資料)
WipeoutはABCが2008年6月から毎週火曜日のプライムタイム帯(午後8時~9時)で放送を開始した番組である。一般の視聴者が屋外に設置されたさまざまなゲームアトラクションにチャレンジするという内容で,放送開始以降,視聴率で放送日の全局番組中トップとなるなど,ヒット番組となっている。この番組は,オランダEndemolの米現地法人Endemol USAが制作し,Endemolが「Wipeout」の放映権とフォーマット権(Wipeout各国版の制作・放映権)の海外販売を手掛けている。
1980年代後半に日本で大ヒットしたTBSの「風雲!たけし城」は海外でも人気が高く,TBSは既に50を超える国々にライセンス販売している。アメリカでも「MXC:Most Extreme Elimination Challenge」という番組名で,2003年から英語の吹き替え版が放送されており,そのフォーマット権もアメリカを始めとする10カ国以上にライセンス販売されている。また「SASUKE」と「KUNOICHI」のアメリカ版“Ninja Warrior”も2006年以降放送されている。
TBSは「Wipeoutは,これらTBSの各番組の持つ基礎的な構造から番組のフォーマット,イベントの流れ,ナレーション,多くの障害物コースや撮影方法,音楽の効果に至るまで,多岐にわたって酷似している。海外へも積極的に販売しており看過できないと判断し,米ABCに続きEndemol USAの提訴に踏み切った」としている。
2008/10/09
西畑 浩憲=日経ニューメディア
TBS(東京放送)は2008年10月9日,米ABCの人気番組「Wipeout(ワイプアウト)」の制作会社である米Endemol USAを相手取り,番組の差し止めと損害賠償を求め,10月8日(現地時間)にカリフォルニア連邦地方裁判所に提訴したと発表した。提訴の理由は,Endemol USAが制作したWipeoutが,TBSの「風雲!たけし城」や「SASUKE」,「KUNOICHI」と番組コンセプトや演出方法が酷似しており,著作権侵害に当たるというものである。ABCに対しては,すでに10月6日(現地時間)に番組の差し止めと損害賠償を求めて提訴している。(発表資料)
WipeoutはABCが2008年6月から毎週火曜日のプライムタイム帯(午後8時~9時)で放送を開始した番組である。一般の視聴者が屋外に設置されたさまざまなゲームアトラクションにチャレンジするという内容で,放送開始以降,視聴率で放送日の全局番組中トップとなるなど,ヒット番組となっている。この番組は,オランダEndemolの米現地法人Endemol USAが制作し,Endemolが「Wipeout」の放映権とフォーマット権(Wipeout各国版の制作・放映権)の海外販売を手掛けている。
1980年代後半に日本で大ヒットしたTBSの「風雲!たけし城」は海外でも人気が高く,TBSは既に50を超える国々にライセンス販売している。アメリカでも「MXC:Most Extreme Elimination Challenge」という番組名で,2003年から英語の吹き替え版が放送されており,そのフォーマット権もアメリカを始めとする10カ国以上にライセンス販売されている。また「SASUKE」と「KUNOICHI」のアメリカ版“Ninja Warrior”も2006年以降放送されている。
TBSは「Wipeoutは,これらTBSの各番組の持つ基礎的な構造から番組のフォーマット,イベントの流れ,ナレーション,多くの障害物コースや撮影方法,音楽の効果に至るまで,多岐にわたって酷似している。海外へも積極的に販売しており看過できないと判断し,米ABCに続きEndemol USAの提訴に踏み切った」としている。
「サスケ」類似番組訴訟、TBSと米ABC和解
「サスケ」類似番組訴訟、TBSと米ABC和解
読売新聞 2011年12月22日(木)12時13分配信
TBSが2008年、米ABCテレビを相手取り、自社の人気番組「SASUKE(サスケ)」などを模倣した番組の放映で著作権を侵害されたとして、放映差し止めと損害賠償を求めて米国内で起こしていた訴訟で、和解が成立したことが22日、わかった。
TBSは、ABCが同年6月から放映した番組「Wipeout(ワイプアウト)」について、1980年代にTBSが放送した「風雲!たけし城」や90年代の「SASUKE」などに演出方法などが似ていると主張していた。TBSは「和解は事実だが、内容は答えられない」と、コメントしている。
読売新聞 2011年12月22日(木)12時13分配信
TBSが2008年、米ABCテレビを相手取り、自社の人気番組「SASUKE(サスケ)」などを模倣した番組の放映で著作権を侵害されたとして、放映差し止めと損害賠償を求めて米国内で起こしていた訴訟で、和解が成立したことが22日、わかった。
TBSは、ABCが同年6月から放映した番組「Wipeout(ワイプアウト)」について、1980年代にTBSが放送した「風雲!たけし城」や90年代の「SASUKE」などに演出方法などが似ていると主張していた。TBSは「和解は事実だが、内容は答えられない」と、コメントしている。
フォーマット販売は法的に保護できるか
非技術的なノウハウ権は、まだ日本では権利として認められていない。
「ビジネスモデル特許」では、「インターネットを利用する事で、技術的と評価できる様なノウハウ」に限って認めている。
この意味で、フォーマット販売の日本における法的位置づけはないといえる。たとえばA局が番組フォーマットを支払ってクイズ・ミリオネアを放送しても、同時にB局では番組フォーマットを支払わずにクイズ・ミリオネアのノウハウをコピーしてクイズミリオネアもどきの番組を放送するということは可能である。
では、なぜお金を支払う義務のないノウハウにお金を支払う契約をしているのか。それはお金を支払うことで失おうお金よりも、それ以上にお金を手に入れることができるメリットが放送局にあるからだ。
番組フォーマットにお金を払うメリットとは、日本の放送局に世界で通用する魅力的な番組があった場合に、その番組について「非技術的ノウハウ権」を主張してオプション契約を海外の放送局と締結し、高額な価格で売ることができる、という点だ。
たとえば、「バイキング」「ネプリーグ」「トリビアの泉」などの番組フォーマットは、海外で販売され日本の放送局は輸出利益をあげている。
こうした番組フォーマットを海外の番組制作会社に売って商売をするためには、輸出している放送局自身が番組フォーマットを輸入するときにオプション契約を締結していなければならないだろう。
輸出するときだけお金を請求して輸入するときにはタダで使うというダブルスタンダードは、法律上は可能でも、国際コンテンツ貿易上では通用しない。
そういった意味で、日本の放送局は海外のコンテンツホルダーに使用料を払っているのであり、販売を見据えた購入なのである。
「ビジネスモデル特許」では、「インターネットを利用する事で、技術的と評価できる様なノウハウ」に限って認めている。
この意味で、フォーマット販売の日本における法的位置づけはないといえる。たとえばA局が番組フォーマットを支払ってクイズ・ミリオネアを放送しても、同時にB局では番組フォーマットを支払わずにクイズ・ミリオネアのノウハウをコピーしてクイズミリオネアもどきの番組を放送するということは可能である。
では、なぜお金を支払う義務のないノウハウにお金を支払う契約をしているのか。それはお金を支払うことで失おうお金よりも、それ以上にお金を手に入れることができるメリットが放送局にあるからだ。
番組フォーマットにお金を払うメリットとは、日本の放送局に世界で通用する魅力的な番組があった場合に、その番組について「非技術的ノウハウ権」を主張してオプション契約を海外の放送局と締結し、高額な価格で売ることができる、という点だ。
たとえば、「バイキング」「ネプリーグ」「トリビアの泉」などの番組フォーマットは、海外で販売され日本の放送局は輸出利益をあげている。
こうした番組フォーマットを海外の番組制作会社に売って商売をするためには、輸出している放送局自身が番組フォーマットを輸入するときにオプション契約を締結していなければならないだろう。
輸出するときだけお金を請求して輸入するときにはタダで使うというダブルスタンダードは、法律上は可能でも、国際コンテンツ貿易上では通用しない。
そういった意味で、日本の放送局は海外のコンテンツホルダーに使用料を払っているのであり、販売を見据えた購入なのである。
日本のコンテンツの海外展開上の課題
課題1 著作権
○番組を海外販売(二次利用)する際は事前に権利者団体に許諾申請が必要。
○権利者側との交渉により、販売先での放送回数も制限されている。
○番組内で使用された外国曲(洋楽)は海外で使用できないため、その都度著作権フリーの楽曲に差し替えねばならない。
課題2 関係者のメリット
○販売価格が低いため、海外番販で受け取る配分金は、国内のギャラと比べ極端に低い。
○番組を海外で放送されても、タレントのイメージアップやプロモーションにならないとの意識がある。
○特にアジアに対しては、海賊版やコピー商品といったネガティブなイメージが根強い。
課題3 日本固有の番組スタンダード
アジア向け販売の「主力商品」はドラマだが、日本と各国ではドラマの放送・視聴習慣が大きく異なる。
日本は毎週1話×3ヶ月=11話だが、アジア各国では少なくとも週2~3話、中華圏では毎日1~2話放送するのが一般的。
このため、ドラマは最低でも20話以上、平均40話ないと視聴率が取れず、スポンサーも付きにくくなるため、海外の放送局にとってはリスクが高い。
結果的に日本番組専門チャンネル以外のテレビ局には売りにくい。
村上光一(コンテンツ専門調査会)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/kikaku2/2siryou5_5.pdf
○番組を海外販売(二次利用)する際は事前に権利者団体に許諾申請が必要。
○権利者側との交渉により、販売先での放送回数も制限されている。
○番組内で使用された外国曲(洋楽)は海外で使用できないため、その都度著作権フリーの楽曲に差し替えねばならない。
課題2 関係者のメリット
○販売価格が低いため、海外番販で受け取る配分金は、国内のギャラと比べ極端に低い。
○番組を海外で放送されても、タレントのイメージアップやプロモーションにならないとの意識がある。
○特にアジアに対しては、海賊版やコピー商品といったネガティブなイメージが根強い。
課題3 日本固有の番組スタンダード
アジア向け販売の「主力商品」はドラマだが、日本と各国ではドラマの放送・視聴習慣が大きく異なる。
日本は毎週1話×3ヶ月=11話だが、アジア各国では少なくとも週2~3話、中華圏では毎日1~2話放送するのが一般的。
このため、ドラマは最低でも20話以上、平均40話ないと視聴率が取れず、スポンサーも付きにくくなるため、海外の放送局にとってはリスクが高い。
結果的に日本番組専門チャンネル以外のテレビ局には売りにくい。
村上光一(コンテンツ専門調査会)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/kikaku2/2siryou5_5.pdf
フジテレビの国際展開
フジテレビでは、1990年代前半から海外への番組販売を開始し、ここ数年は年間150~200タイトルの番組を販売している。
内容は「ドラマ」が全体の約80%を占め、20%が「バラエティ」「ドキュメンタリー」「フォーマット&リメイク権」で海外向け番組販売ではドラマが主力商品となっている。
販売先を地域別に見た場合、アジア地域が90%、欧米が10%となっており、欧米に対しては番組の販売ではなくフォーマット&リメイク権販売がセールスの大部分となっている。
(※「料理の鉄人」はアメリカ・イギリス等の欧米地域にも販売された唯一ともいえる番組)
販売収入でみた場合、アジア地域が70%で欧米が30%の割合になり、販売単価では欧米地域がアジアに比べ高い。
国際展開の種類:
①番組販売
メインマーケットのアジア向けには台湾をはじめ、中国、韓国、香港、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアなど東南アジア諸国にもドラマを中心に販売中。
欧米向けには1999年からアメリカに「料理の鉄人」を販売。2005年からは「バイキング」をアメリカのESPN(スポーツ専門チャンネル)に販売。
②フォーマット販売
2004年から「料理の鉄人」のフォーマットをアメリカ向けに販売。「アイアンシェフ・アメリカ」として好評放送中。「逃走中」のフォーマットもディズニーグループのブエナビスタと全世界権の契約が成立している。
このほか、「バイキング」、「ネプリーグ」「トリビアの泉」などの番組フォーマットについても欧米各社とオプション契約が成立している。
③共同制作
韓国文化放送(MBC)との間で2002年に「ソナギ-雨上がりの殺意」、2004年には「STAR’S ECHO~あなたに逢いたくて~」のドラマ2作品を共同制作。
しかし、制作現場での文化の違い、双方の視聴者の相違など、克服すべき問題が多い。ビジネス的な成功を狙うには双方による事前の綿密なマーケティングが必要。
引用:村上光一(コンテンツ専門調査会)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/kikaku2/2siryou5_5.pdf
内容は「ドラマ」が全体の約80%を占め、20%が「バラエティ」「ドキュメンタリー」「フォーマット&リメイク権」で海外向け番組販売ではドラマが主力商品となっている。
販売先を地域別に見た場合、アジア地域が90%、欧米が10%となっており、欧米に対しては番組の販売ではなくフォーマット&リメイク権販売がセールスの大部分となっている。
(※「料理の鉄人」はアメリカ・イギリス等の欧米地域にも販売された唯一ともいえる番組)
販売収入でみた場合、アジア地域が70%で欧米が30%の割合になり、販売単価では欧米地域がアジアに比べ高い。
国際展開の種類:
①番組販売
メインマーケットのアジア向けには台湾をはじめ、中国、韓国、香港、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアなど東南アジア諸国にもドラマを中心に販売中。
欧米向けには1999年からアメリカに「料理の鉄人」を販売。2005年からは「バイキング」をアメリカのESPN(スポーツ専門チャンネル)に販売。
②フォーマット販売
2004年から「料理の鉄人」のフォーマットをアメリカ向けに販売。「アイアンシェフ・アメリカ」として好評放送中。「逃走中」のフォーマットもディズニーグループのブエナビスタと全世界権の契約が成立している。
このほか、「バイキング」、「ネプリーグ」「トリビアの泉」などの番組フォーマットについても欧米各社とオプション契約が成立している。
③共同制作
韓国文化放送(MBC)との間で2002年に「ソナギ-雨上がりの殺意」、2004年には「STAR’S ECHO~あなたに逢いたくて~」のドラマ2作品を共同制作。
しかし、制作現場での文化の違い、双方の視聴者の相違など、克服すべき問題が多い。ビジネス的な成功を狙うには双方による事前の綿密なマーケティングが必要。
引用:村上光一(コンテンツ専門調査会)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/kikaku2/2siryou5_5.pdf
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